第1章 出会

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花火大会当日 夏実と咲里が浴衣を持って我が家にやって来た キャーキャー言いながら…母は汗だくで三人に浴衣を着せる (おばさんありがとうございました) (三人とも可愛いよ 記念写真撮るから並んで) スマイル写真を撮り まだ早い時間だったけど会場へと出掛けた 露店は早くから準備をしてるのか 美味しい匂いが鼻をさす かき氷を持って 見晴らし良い場所に陣取り 花火が上がるまで 雑談に花を咲かせた (ね 咲里テニスどう?) (雑用だよ やっぱり上手い人が練習するしコートも少ないしね…) (だよね…) (あ…そうそう あの紗菜先輩さ 空の事ばかり聞くんだよね 家族とかさ) (何それ 怖くない?空気を付けなよ) (え?どう言う事?私紗菜先輩マジで知らないし あの人確か西中卒だよね?名前は確か… 南村紗菜(なむらさな) ) (そうそう 誰か南村さーんって呼んでいた) その時後から声がした (ね~一緒に花火見ても良い?) 軽いナンパと思い (横空いてますからどうぞ)と夏実が言った どうやら隣町の高校生で 3年だと分かった 大学受験の息抜きで 三人来ていると言った 最初の方は話す事なく ぎこちなかったが 30分経てば それぞれ仲良くなっていた 私と仲良くなったのは 浦河翔梧(うらかわしょうご)大学は東京だと聞いたけど 東大じゃないと お互いにLINE交換だけして 電話番号は教える事なかった 6人での花火大会は結構面白く終わった また来年も見れたらいいねと咲里が言った (うん 絶対来年もだね) その後 私たちはその男性たちと少し話 家路についた 咲里と夏実は父が運転する車に乗り送って行った 翌日 暇をもて余した私は母にお使いを頼まれたのもあり スーパーでの買い物前に ブラブラと流行りの洋服を見て歩いてた (これ 可愛い…でも小遣いじゃ買えないな) 独り言いいながら ふと横を見ると紗菜先輩がいた (あ!紗菜先輩 こんにちは) (あら久しぶりね 空さん ) (今日はお休みですか?テニス) (これよ) 指差す方を見ると 足に包帯が (捻挫しちゃってね…) (大丈夫ですか?出歩いて) (大丈夫よ 近くだし 靴は履けないけどね) (ね 休憩しない?喉乾いちゃった) (じゃ…あのベンチに 私ジュース買って来ます)
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