5人が本棚に入れています
本棚に追加
危険能力クラスって……?
こよみ「うわっ!」
ガバッと飛び起きる。
気持ちよく眠っていたこよみをたたき起こした正体、未だ鳴り続ける目覚まし時計を急いで止める。
こよみ「ふぅ……」
ひとまず落ち着いたこよみは、手を伸ばして伸びをする。
寝ぼけ眼で辺りを見渡す。
部屋に置いてあるのは、自分が寝ていた簡素なベットと小さなタンス、それに全身が映る大きな鏡だけ。
ベットのそばにあったスリッパをはいてタンスの中をあさる。
染みついた行動で、パジャマから適当に一番上の段にあった服に着替える。
何か違和感のある服だと思ったら制服、だった。
そういえば今日は平日だっけ?なんて思いながら洗面台で歯を磨く。
うとうとしながら旅行バックから使い慣れたスクールバックを取り出して肩に掛ける。
そして、こよみは我に返った。
……、気づいてしまった。
こよみ「あれ?ここ、どこ……?」
思えば目覚まし時計なんて、いつもは使っていない。
簡素なベットも小さなタンスも大きな鏡も見覚えがない。
部屋は殺風景なほどに綺麗だけど、そもそも自分の部屋があった覚えはない。あったのは狭い4人部屋だけだ。
制服も、よく見たら学校指定のものではないし、まだパリッとした新品だ。
唯一分かるのはパジャマとスクールバックだけだが、スクールバックが軽すぎる。入っているのは筆箱と財布だけだ。教科書類はどこへ消えてしまったのだろう。
こよみ「こういうことってホントにあるんだぁ」
ハハッと乾いた笑いを浮かべ、現実逃避気味に自室らしき部屋を出た。
最初のコメントを投稿しよう!