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大きな建物の前にあるボードを眺める。ボードには名前が羅列してある。
クラス発表だ。この春に学年が変わったばかりなので、まだ残っているということなのだろう。さすがにこよみの為に残されているというわけではないはずだ。
一般と比べたらずいぶんと少ない名前の数は、この学校の特殊さ所以だろう。
(この中から探すの?)
それでもこの中から一つの名前を見つけるには大変な作業になる。
一つずつ名前を見ていきながら昨日のことを思い出す。
女の人に連れられて向かった場所は、都会……の路地裏だった。
どんどん狭くなっていく道を進む。
いつの間にか、道がひらけていた。
さっきまで暗いコンクリートジャングルにいたはずなのに、今は草原の揺れる明るい場所に来ていた。
日光がまぶしい。
どういうわけなのかと後ろを振り返ったみても、路地裏は影も形もない。ポツンポツンと建物が少しだけある、田舎のような光景が広がっているだけだった。
謎の女『ここは異世界。元の世界とは違う、作られた世界』
こよみ『へ?それはどういう……?』
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