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謎の女『能力は人それぞれ。私は生物の分析および干渉よ。大体イメージは分かるでしょ?』
イメージはつくけど、生物干渉ってなんか怖い。
何でも出来てしまいそう。
謎の女『その逆でね、私の体は何事にも干渉されないようになっちゃったの』
こよみ『何事にも?』
謎の女『そう。能力も、世の中の理もすべて無視して、ね』
そう言った女の人は、なんだか哀しい表情をしていた気がする。
謎の女『基本、能力は遺伝する。だから、あなたのその能力……』
こよみ『生物干渉のなごり?』
謎の女『たぶん、そういうこと。両親が能力者の場合、どちらかが受け継がれるのが普通なんだけど。あなたはあの人の能力も……』
そこで黙り込んでしまった。心なしか青い顔をしている気がする。
こよみ『あの』
謎の女『見えてきたわ。あそこがこれからあなたが通う学校』
気になることはいっぱいあった。
お父さんは何者なの?能力はなに?なんで私は孤児院で育ったの?受け継がれるのが分かっていたならなんで……
だけど、聞く前にさえぎられてしまった。
見えるのは、立派な様式風の建物群。見晴らしのいい景色の中で、それだけは大きい、と表せる。
こよみの知るシンプルなつくりの学校とはかけ離れている。
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