あの夏の日

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 僕はその時、焦りを憶えていた。  おじいちゃんからは、お盆に無益な殺生をすると、お化けが出るぞと脅されていたからだ。  その事を告げると、シュウちゃんはまるで信じない風だったが、コウちゃんは少しビビったようだった。 「そう言えば、うちのばあちゃんも、前にそんな事言ってた気がする・・・・・・」 「ね。だから、今日は泳ぐだけにしない?」  僕の意見に、シュウちゃんは不満げだったけど、コウちゃんは賛成してくれた。 「でも、午前中に泳いだばっかじゃん・・・・・・」  シュウちゃんはなおも食い下がってみたものの、二対一という事で、最後は渋々引き下がってくれた。
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