0日目

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 日が沈みかけて、夕暮れが来て、そして真っ暗な夜になる。 町にあふれていた『一般人』は、蜘蛛の子を散らすように帰ってゆく。仕事が残っているかもしれないサラリーマンも、部活に明け暮れたいはずの学生も、犬の散歩に出ていた老人も、皆、家に帰る。  それでいいのだ、と私は思う。いつまでも外に居れば、マフィアのいざこざに巻き込まれてしまう。 ボスは『一般人』のことなんて何も考えていない。組織をもっともっと大きくすることしか頭にないのだ。  『―――リ。作戦開始だ』 耳に差したイヤホンからボスの声。 「了解」 それだけ呟くと、私は夜の街へと歩き出した。  私は、『イケニエ』。 私自身を餌として、敵対する組織の者を呼び寄せる。 独りぼっちで街を歩く私は、格好の獲物。 そして、のこのこと出てきた者をーーー パシュ ズドン 血に染める。 これが、私の日常。
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