5 居候エルフの生活

1/10
37人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ

5 居候エルフの生活

今回のお話は僕が主人公です。 僕は今、居候させてもらうレイコさんの家に向かっています。 「あ、そういえばアンタ。」 「なんでしょう?」 レイコさんは僕に声をかけてきた。 「名前は?」 「あ、言ってませんでしたね。 僕の名前はミラ・アンジェリーク・アス・エルサージュって言います。」 「長いわね。ミラって呼ぶから私もレイコで良いわ。」 勝手に僕の名前が短くなった。 確かに僕の名前は人間の名前より長いですからね。 「分かりました、レイコ。」 グリシア村は本当にのどかでいい所です。 避暑地(ひしょち)としても良いですが、何よりここの住民の方達が優しくて 僕は大変助かっています。 特にレイコは僕を色々助けてもらってるので感謝しきれません。 「レイコ、ご飯は食べたのですか?」 「そういえばアンタの騒動(そうどう)でまだ食べてないわね。」 「それならちょっと食材見ても良いですか?」 「良いわよ。何か作って食べたい時は遠慮なく使いなさい。」 僕は食材を確認し料理を始めた。 「お世話になるレイコに感謝を込めて料理するので、レイコも待ってて ください。」 「え?作ってくれるの?」 僕は頷いた。 「じゃあ、お言葉に甘えて待ってるね。」 「では腕によりをかけて頑張ります!」 レイコはその後、家の裏に用事があると言っていたので出来上がったら 呼ぶと伝えた。 少し時間が掛かったがまだレイコは戻っていなかった。 何をしてるのか気になって裏に見に行った。 レイコはマナの使い方の練習をしていたのか、ひとりで精神統一(せいしんとういつ)をしていた。 だが次の瞬間レイコからマナの増大(ぞうだい)を感じ、レイコを中心に周囲のマナが 集まっているのを見て取れた。 レイコの周りのマナが視覚化(しかくか)され、集まっていく。 レイコに集まったマナが金色(こんじき)に輝きレイコ自身も輝き出した。 僕は短時間(たんじかん)でここまでマナの扱いができる人を見たことがない。 最低でも一年は頑張らないと周囲のマナを集めるという偉業(いぎょう)はなせない。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!