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「わからなくはないですが、やり過ぎでしょう。」
【余もそこまでするつもりは無かったのだが、少々力み過ぎてしまってな。】
少し力んだくらいで一国を滅亡させるなんてどんだけだよ…
【いやはや、失敬失敬。】
まったく、とんだ冥王様だなぁ。
俺はエルフに今後どうするのか尋ねてみた。
「今は追われている身で集落に戻る事も出来ないのでどこかにひっそり隠れて
生きていこうと思ってます。」
少し寂しそうな感じでそういうエルフに俺は提案した。
「アンタが良ければウチに来る?部屋は空いてるし問題は無いんじゃない?」
「え?」
その時けたたましく酒場の扉が開いた。
「認めーんっ!!」
「おわっ!アリシア?!」
アリシアはそこで聞いていたのか異論を唱えた。
「なんでアンタが認めないのよ。」
「若い男女、しかもひとつ屋根の下で暮らすなど間違いがあるに決まっている!
特に貴様、さっきの前科があるのだから認める訳にはいかん!」
横暴でしょ…
「行くとこが無いんだし、私の近くに居た方が危険も少ないでしょ。」
「それはそうだが…」
何か煮え切らない言い方で納得しないアリシア。
「…なんなんだよ、まったく。私の彼氏じゃないのに、何駄々こねてんの?」
「なっ!?なわけないでしょ!レイコのバカー!!」
アリシアは耳まで真っ赤にして走り去っていった。
「何しに来たんだよ、アイツ。」
【鈍愚…】「女心が分からない人ですねぇ…」
「私は女なんだけど?」
「そういう意味じゃないですよ。」
「?」
世の中わからない事が多い気がする。
俺はひとりで悩んでいるとエルフが声をかけた。
「とりあえず僕は貴女の家に居候という形でお世話になりますね。」
こうして新しい住民が増えることになりました。
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