37人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
僕は今、先にお風呂に入っている。
よくよく考えてみると、2人で入らないといけないという決まりはない。
だったらこうなるのが自然でしょ?
でも何故だろう。ちょっと心の中で残念に思う僕がいた。
「お湯加減大丈夫?」
「あ、はい。丁度いい感じです。」
「なら良かった。」
今レイコはこの裏でお湯の火加減を見てもらっている。
ふぅ、生き返るようだ…
「まったく、そういう事なら私がしてやるのに…」
「なんでウチの事なのにアリシアがするのよ…」
レイコは深いため息をついた。
確かにアリシアさんにしてもらうのは筋違いだけど。
「もし私にさせてくれたら、エルフの茹でモノができるのに。」
身の危険しか感じない。
「それよりも、ここに来たのはそれだけなの?」
「あぁ、そうだった。奴の事で忘れるとこだった。」
そこまで僕に対して怒ってたのか…
するとアリシアさんは僕の方に向かって話しかけてきた。
「わかったぞ。お前が奴らに追われてた理由。」
「え?!」
もう分かっちゃったの?!
僕はアリシアさんが凄い人なんだと思った。
まさかこんなに早く理由を知ることが出来るなんて。
「まぁ、この二人に掛かって口を割らない奴なんて見たことないんだけどな。」
「ララとルル、アンタ達一体何者なのよ…」
ララとルルは胸を張ってドヤ顔だがレイコは感心しているのではなく
呆れている感じだ。
「お前がエルフで希少価値があるだけで追っていた訳じゃないらしいぞ?」
「どういう事です?」
アリシアさんは腰に手を当て話してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!