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アイツらの話によると、どうもお前に問題があるみたいだ。
お前は昔、行商人で世界を回っていた。
それでとある街でフードを深く被った男にポーションを大量に売った。
ここまでは合ってるか?
あ、その事なら僕は覚えてますよ。
フードを被っていて、大量にポーションを買っていったので覚えてます。
その男はこれまたとある富豪の使いで、富豪の息子が一度でいいから
冒険者が使うポーションを飲んでみたいっという願いの元、
買いに来たらしいのだ。
それにしても大量に買う必要は無いでしょう?
それはこの前にどこかで買ったポーションが美味しかったのか
大量に欲しかったようだ。
そのポーションが悪かったのか、大量に飲んだのか分からないがその息子が
腹を下してな。それを恨んだ富豪はお前を探し出し、身柄を確保して
お前を拷問しようとしていたみたいだ。
そんな!?それは逆恨みでしょう?!
そうだな。だが自分の子供がそんな事になったら恨むのが親であろう?
そ、それは…
やってる事は悪い事だ。もしこれが本当に起きていたらこんな事で
終わらなかっただろう。
…
「これが事の顛末だ。」
僕は風呂場でうなだれていた。
「…じゃあ、僕はどうしたら良いのでしょうか…」
僕は少なからず申し訳ない気持ちがあったが、どうしていいか分からない。
「…仕方ないなぁ。」
ここまで黙っていたレイコが口を開いた。
「アリシア、それがどこの富豪か分かってるんだよね?」
「あ、あぁ調べはついているがそれがどうした?」
レイコは少し息を吐き、アリシアさんに言った。
「これも乗りかかった船よ。ミラ、明日その富豪の所に行くわよ。」
「えっ?!」
僕はレイコが言った事に耳を疑った。
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