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「ちょっと待ってください!」
「いや、待たない。」
反論の余地無し?!
「今ここで待っても次の刺客が来るだけ。解決にはならないわ。」
それはそうですけど、僕は命を狙われてるんですよ?!
よっぽどその言葉が出てきそうだったけど、レイコはこう続けた。
「誰もひとりで行けって言ってないでしょ?私も行くわ。」
「え?」
それはどういう事だろう。
「アンタひとりだと拷問されるに決まってるけど、私がいれば
そんな事はさせないよ。」
「レイコ…」
僕はレイコの言葉にジーンときていた。
「レイコ…?ミラ…?」
アリシアさんはワナワナと震えている。
あ、ヤバっ…
アリシアさんの堪忍袋の緒が切れた。
「うがァ?!!ファーストネームで言い合うなんて許すまじぃ!!」
アリシアさんは怒りに我を忘れいた。
「お、落ち着きなさい!コラ!アリシア!」
「ど、どうしたんですか?!」
何かドタバタしているので気になって聞いてみた。
「アリシアの奴、突然暴れ始めたのよ!」
今ララさんとルルさんが抑えてはいるが時間の問題だった。
「こんなに怒ってるアリシア様は見た事ないわ…!」
「アリシア様を嫉妬させるからこうなるんだぞ。」
レイコも篭手は出しているが防御の為みたいで攻撃する素振りはみせない。
「…そうだ。」
僕は魔法を詠唱した。
「…大気の精霊よ、今こそ我の言の葉を聞き給え。彼の者に安らかなる眠りを
与え給え…」
次の瞬間、僕の手から魔法を発動させた。
「"安眠魔法…"」
アリシアさんの足元からピンク色の煙が出たと思ったら、身体の周りに
纏わりつきアリシアさんを覆った。
その直後、アリシアさんの身体から力が抜けた。
「アリシア様…?」「寝てる…」
アリシアさんの顔は今までにない安らかな寝顔をしていた。
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