5 居候エルフの生活

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「ちょっと待ってください!」 「いや、待たない。」 反論の余地無し?! 「今ここで待っても次の刺客が来るだけ。解決にはならないわ。」 それはそうですけど、僕は命を狙われてるんですよ?! よっぽどその言葉が出てきそうだったけど、レイコはこう続けた。 「誰もひとりで行けって言ってないでしょ?私も行くわ。」 「え?」 それはどういう事だろう。 「アンタひとりだと拷問されるに決まってるけど、私がいれば そんな事はさせないよ。」 「レイコ…」 僕はレイコの言葉にジーンときていた。 「レイコ…?ミラ…?」 アリシアさんはワナワナと(ふる)えている。 あ、ヤバっ… アリシアさんの堪忍袋(かんにんぶくろ)()が切れた。 「うがァ?!!ファーストネームで言い合うなんて許すまじぃ!!」 アリシアさんは怒りに我を忘れいた。 「お、落ち着きなさい!コラ!アリシア!」 「ど、どうしたんですか?!」 何かドタバタしているので気になって聞いてみた。 「アリシアの奴、突然暴れ始めたのよ!」 今ララさんとルルさんが抑えてはいるが時間の問題だった。 「こんなに怒ってるアリシア様は見た事ないわ…!」 「アリシア様を嫉妬させるからこうなるんだぞ。」 レイコも篭手は出しているが防御の為みたいで攻撃する素振(そぶ)りはみせない。 「…そうだ。」 僕は魔法を詠唱した。 「…大気(たいき)精霊(せいれい)よ、今こそ我の(こと)()を聞き(たま)え。()の者に(やす)らかなる眠りを (あた)え給え…」 次の瞬間、僕の手から魔法を発動させた。 「"安眠魔法(ディープスリープ)…"」 アリシアさんの足元からピンク色の煙が出たと思ったら、身体の周りに (まと)わりつきアリシアさんを(おお)った。 その直後、アリシアさんの身体から力が抜けた。 「アリシア様…?」「寝てる…」 アリシアさんの顔は今までにない安らかな寝顔(ねがお)をしていた。
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