5 居候エルフの生活

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「とりあえずアリシアはララとルルに連れて帰ってもらったよ。」 「それは…良かった…のかな?」 まぁ、その辺を破壊(はかい)されないで済んだから良かったという事にしておこう。 「じゃあ、そろそろ私もお風呂に入ろうかな。」 「あ、それじゃあ僕は出るね。」 僕は湯船に十分浸かったから出ようとした。 「別にいいよ。ゆっくり入ってて。」 「えっ、そう?」 僕は十分浸かったけれど、もうちょっと入っていたかった。 「タオル巻けば良いでしょ。」 レイコの言ってる事が理解出来なかった。 タオル巻いてどこに行く気なんだろう? 風呂場の向こうがガサゴソ聞こえる。 なぜか風呂場のドアが開いた。 そこにはタオル一枚のレイコの姿があった。 「ちょっ?!」 「ん?どうしたの?」 いや、どうしたとかそんなレベルの話じゃないでしょ?! 「な、なんで入ってきてるの?!しかもタオル一枚で!!」 「なんでってお風呂入るのにタオル着けないのは流石(さすが)にダメでしょ?」 僕にはそれ以前の話だと思うんだけど?! 「大丈夫。私は湯船に入るつもりはないからゆっくり浸かりなさい。」 レイコはタオルに手をかけ脱ごうとした。 「うわっ?!」 僕は急いで後ろを向いた。 「どうしたのよ。そんなに慌てて…」 「そりゃ慌てもしますよ!?」 レイコは僕が男だっていうの忘れてるでしょ… 「タオル取らないと身体が洗えないでしょ?」 「確かにそうですけど、僕がここにいるとダメでしょ…」 「ん?…あ、そうか。」 やっと気付いてくれたみたいだ。 「役得(やくとく)と思って(あきら)めなさい。」 「なにをっ?!」 なにも分かっていなかったみたいだ… 「ぼ、僕は男ですよ?!もし何かあったらどうするんですか?!」 「仮に何かしたら(なぐ)るから安心しなさい。」 「殺す気ですかっ?!」 どうやらレイコの方が奴らによりタチが悪いという事がわかった。
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