第1章

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「それにしても、お坊さんってエッチとかするんすか?」 「...すげぇ新人連れて来ましたね、先輩」 「はは、そうだろ?つか、それ俺も気になる」 私は酒を飲んでいないが、他の二人は酒を飲んでおり酔いが回ってきたのだろう。 「旦那とセックスしたことないですね」 「え」 「え、マジすか。やっぱりお坊さんってエッチってしちゃダメなんすか?あの、煩悩はダメみたいなやつ?」 「いや、それだったらもう坊さん跡継ぎ途絶えてるだろ」 「あ、そっか。じゃあなんで?」 「さぁ、私に魅力がないからじゃないですかね?」 「あー、それは言えてる」 「お前パッとみガキだもんなー」 「まー、そうですね。つか、新人失礼だろさすがに」 「はは、すいません」 まぁ、たぶん結婚して一年経つが、セックスをしないのは、そういうことだと思う。でも、セックスをしないと跡継ぎが生まれない。跡継ぎが生まれないことは、旦那の実家の場合、なかなか大きな問題なので、私はやはり近いうちに離婚を切り出されるのだと思う。旦那は別に好きで結婚したわけではないのだ。お義父さんから進められて仕方なく結婚したのだから。まぁ、お義父さんも跡継ぎが出来ないとなれば、離婚も認めてくれるだろう。 「んじゃ、またなー。ダーリンに今度会わせろよー」 「あ、山田さん!俺も会いたいっす!」 「はーい」 それから先輩と後輩と別れた私は、一人暮らしのアパートに戻った。
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