スーザンの過去(短編)

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スーザンの過去(短編)

 昔、私はある少女に出会った。笑った顔がとても印象的な少女だった。少女はよく白いスカートをはいてお花畑を駆け回っていたっけ。とても明るい日向で私は夢を見ているような心地がした。汚れ切った私の心もきれいに洗い流されるような気がしたんだ。彼女の姿は今でも忘れられない。そして彼女を襲った悲劇も――。 XXX 「スーザン手伝ってー?」 「ああ。今行くよ」私は読んでいた本を閉じ、机の上に置いた。書類が積み重なった私の机は今置いた本さえも埋もれてしまうほどに、沢山積み重なっていた。 「なんですか?これは」 「はは…またやっちゃった」そういって彼女は苦笑いをした。彼女の周りにはいろんな破片が散らばっていた。 「だからいつも言ってるじゃないですか。銀と十字架は近づけちゃいけないって」私はやれやれという顔をして彼女を部屋から追い出した。私はこうみえても実は牧師だ。ちなみにここは教会で彼女は修行中の私の使徒といったところか。     
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