エピソード1

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忙しいのはわかるけどさ、そろそろ時間だけどわかってるのかな?部長と呼んでも集中してるのか、ン?さっきまでは女の人が来ると顔をあげてたぞ。 「部長?」 無視かよ、腹立ってきた。 「部長、そろそろ、お時間です、ペナルティー!」 やっと上を見た。 「ああ君か」 君かー?知らねーからな? 「太一君、どうするんですか?」 大きな声で言ってやった。 うわーと口をふさがれた、そんなに子供がいるの知られるの嫌?信じらんない。 ちょっとこっちへとみんなから見られないようにした。 「何で隠すんですか?」 「お前もだろ?」 お、お前? 「私はかくして住んでるからいえないんです、部長は違うでしょ」 「そうなのか?」 「そうなんです、それより時間!」 「わお、歩巳君頼めるかな?」 いいですけど、もっと早く連絡してと部長に言った、何のためにスマホ持ち歩いてるんですか? そうだったと彼は頭を下げ、また書類に向かった。 やりがいあるんだろうな、高卒の私なんかただのお茶くみだし、大卒の人ばっかりだから、これから外回りとか始まったらどうするんだろう。あーあ、目頭抑えちゃって、お疲れ様だわな。
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