エピソード1

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飲み会当日 晩御飯の用意はしてきた。 「それでは、海外組が戻ってきたという事で、カンパーイ」 結構いるんだ。そうか入れ替えで向こうに行った人もいるんだもんな。 「ここいいですか?」 わーイケメン、周りの女性たちの目の色が変わった。佐藤さん、彼も海外へ三年行って帰ってきた人だ二十七だっておじんじゃんね。ふーんそんなにいい男かな。 ひゃー、おいしそう会費分食べなきゃ損。 「君、飲まないの?」 「この子、まだ未成年」 「へー珍しいな、高卒?」 すみませんねどうせ高卒ですよ!うなずいて、おいしそうなものに手を伸ばした。 「早川」 「まーい」 口に入れたまま返事をした。 おいで。おいでされる技術部の叔父様たち。お酌、ビールを持って、そっちへ行こうとした。 「じゃあ俺も」 エーというブーイングのお局連中。 そんなの気にしないで、おじさんたちの中に入っていった。 「早川って、早川ビスの娘か?」 「そうでーす、来年二十歳になります、お祝い待ってまーす」 なんて言いながら皆にお酌、娘とおんなじ年だなんて話に花が咲く。 「楽しそうですね」 「おー、ヨッシー、おかえり」 「ただいまです」 「営業なんて早く辞めて戻って来い」 いや、いや、なんて言ってる。 「なんでお前がここにいるんだ?」 またお前かよ、なんで私だけ名前じゃないのかな。 「おー紹介するは、早川ビスの娘だ、この子のおかげで、最後の仕事ができたんだ」 「最後?」 「ああ、おやじさんなくなってな、最後の商品だけ納品してもらった、感謝してるよ」 「近藤さん、技術だったんですか?」 さっきの男性がビールをもって私の隣に座った。 「お、何だ、佐藤、こんなとこにいたのか?」 だって、楽しそうで、若い女の子見つけちゃってなんて、軽そう、部長は女性たちに引っ張られ、あっちで飲みましょうよと誘われ嬉しそうだけど。私関係ないし、一通りお酌して回って席に戻ればいいや。 一時間いた、さて、帰ろうか。
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