エピソード1

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仲のいい友達はいる、二つ上の彩先輩は、課が違うけどいろいろ相談できるいい人で、彼女の隣で愚痴を聞いてもらいながら、隠れるようにして、たっぱに料理を入れていく。彼女だけは私の事を知っている人だから。 おじさんたちに先に帰ると言い、幹事にも遅くまでいられないということは言ってあったから、先に立った。みんなに知られないように、遠巻きにそーっと。 「あれ?帰っちゃうの?」 佐藤さんだ。出口に向かう途中で見つかった。 「帰ります、未成年なので、門限あるし」 「へー、門限ね、○○マンションだよね」 「あれ?ばれてた」 「ハハハ、独身はあそこに入るもんな、俺もあそこだし、さっき聞いた」 それならそういうことで、お疲れさまでした。 おいマテ送っていくと言われたけど、近いんで平気ですと、とっととそこから出た。 部長には、あまり飲みすぎないでくださいねと声はかけてきた。 まあいいか、明日は休みだから、みんな羽を伸ばすだろうから。 手には、どうせ食べないであろう、揚げ物なんか、あの子たち好きそうなものをいっぱい詰めた入れ物を持って出てきた。 まだ起きてるかな、明日でいいか。
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