エピソード1

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上司はまだ起きてこない。 部屋はここだという。 ノックした。 寝てる、けど、一人じゃない、え? 玄関へ、見逃した、女ものの靴が端に寄せられていたのだ。 二人に、おもちゃをもって、部屋に行こうというと、なんでだという太一君。 そうだ、太一君には、関係ない、でもここにいたらダメなような気がして、お客さんが寝てる、だから静かにしなきゃと言って手を引っ張った。 「どこだ!」 彼は走り出して、彼の寝室の扉を開けた。 「ヨッシー!起きろ!今すぐここから出て行け!」 大きな声が響いた。 キャーという女性の声、君は誰だという上司の声に、ここにいたらダメだと思い、郁弥の手を引っ張って、玄関を飛び出した。 静かになった。 「くんな!」 靴がポンポンと外に投げ出された。 「何よ!子供がいるなんて聞いてないわ」 そう言い残して立ち去ったのは、あの先輩たちの一人。 うわー、修羅場かよ。 「姉ちゃん?」 「帰ろうか」 バンと扉が開いた。 「良美、郁弥、来てくれ」 太一君の後を入った、失礼しますー。 彼は自分の部屋に入ると、大きな旅行鞄を広げた。 「何するの?」 「家出、郁弥、そこの引き出し、みんな入れて」 「は?家出って」 「あいつと一緒に住めない、捨てられるなら捨ててやる」 涙目。
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