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上司はまだ起きてこない。
部屋はここだという。
ノックした。
寝てる、けど、一人じゃない、え?
玄関へ、見逃した、女ものの靴が端に寄せられていたのだ。
二人に、おもちゃをもって、部屋に行こうというと、なんでだという太一君。
そうだ、太一君には、関係ない、でもここにいたらダメなような気がして、お客さんが寝てる、だから静かにしなきゃと言って手を引っ張った。
「どこだ!」
彼は走り出して、彼の寝室の扉を開けた。
「ヨッシー!起きろ!今すぐここから出て行け!」
大きな声が響いた。
キャーという女性の声、君は誰だという上司の声に、ここにいたらダメだと思い、郁弥の手を引っ張って、玄関を飛び出した。
静かになった。
「くんな!」
靴がポンポンと外に投げ出された。
「何よ!子供がいるなんて聞いてないわ」
そう言い残して立ち去ったのは、あの先輩たちの一人。
うわー、修羅場かよ。
「姉ちゃん?」
「帰ろうか」
バンと扉が開いた。
「良美、郁弥、来てくれ」
太一君の後を入った、失礼しますー。
彼は自分の部屋に入ると、大きな旅行鞄を広げた。
「何するの?」
「家出、郁弥、そこの引き出し、みんな入れて」
「は?家出って」
「あいつと一緒に住めない、捨てられるなら捨ててやる」
涙目。
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