628人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなこと言わないで、叔父さんなんでしょ」
「あいつなんて、俺より、女の方がいいんだ、わかってた、だから俺は施設に入ればよかったんだ、日本になんか帰ってくるんじゃなかった」
大人っぽい言い方に、泣きながら仕度をする彼がかわいそうで。
「後、持っていくのはどれ?」
ぎゅうぎゅうに詰めたカバンをもって、彼は大事なおもちゃを箱に入れたものを持った。
それを郁弥に預けると、彼の寝室に入っていった。
「太一!」
「じゃな」
パンと音がした、たぶんカギを置いて来たのだろう、すごいな。
「おい、どこへ行く!」
玄関で靴を両手に持って、ドアを足でけって閉めた。
「良美お姉さん、少しの間、お願いします」
頭を下げた彼をぎゅっと抱きしめた。頭を撫で、部屋へ連れて行った。
メールがいっぱい来ていたけど返さなかった、あまりの攻撃に、一度だけ、寝静まったら行きますとだけ返した。夕飯を食べ、歩巳に、早く寝るように言って、上司の部屋へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!