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ガチャリとドアが開いた。
「すまない」
「謝る人間違えてますよ」
まっすぐベランダへ行き、太一君の洗濯ものを集めた。
「君がしてくれたのか?」
「まだ洗濯機に入ってるので、干してください」
ほかのものも取り込み、彼が洗濯物を持ってきた。部屋干し、忘れても、これならいいでしょうと、部屋の中に干すのを指示した。
やったことがないのか、よれよれのまま干していく。
仕方がない手を貸した。パンといい音を立てながら、しわを伸ばし、あいたハンガーにかけて行った。
別に、女の人と寝るなんてこといいんですけどね、私も連れてきた手前、帰ろうとしたんだけど、太一君が怒ってしまって、ごめんなさいと謝った。
彼女とは何もないと言いたいが、あんな格好で寝ていた、落ち度はあると、彼は誤った。見た限り、裸だもんな。
私は、去年の八月下旬に、親が借金苦で自殺したことを話した。二人の弟は行き場を無くし、就職しているという事だけで、私が育てることになったことを話した、これからの事を考えると、今働いておかないと、何かあったとき困るという事までちゃんと話した。直属の上司だから知っていてもらったほうがいい。
「そうか、すまなかった」
洗濯を干した、乾いたものをたたみながら、太一君の事、部長の事も聞かせてほしいといった。
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