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二、三日それが続いた、太一君にわからないように、部長も仕事ができて助かると言っていた。
「それじゃあおやすみなさい」
「おやすみ」
階段を下りてきて、部屋の前で声をかけられた、こんばんわ、振り返ると佐藤さん。
「部屋ここ?」
ドアノブをつかみそうになって離した。
「いいじゃん、俺、この上、お近づきになりたいなーなんて」
「・・・」
ドン!
わっ、壁ドン?
「なー、部屋入れろよ、好きなんだろ?」
「何のことですか?」
「部長の部屋から出てきたんだよな」
はあ、まったく、男って、ばかじゃない。
「つくづく、男って、やるだけみたいになってるんですね、いいですけど、覚悟してください」
「は?覚悟?いいねーそれ」
「ばっかみたい、どうぞ、靴はここで脱いで入ってくださいね」
「簡単に入れちゃうんだ」
「いれはしますけど、どうなっても知りませんから」
そういってドアを開けた。
「ただいま」
「おかえり、おー、姉ちゃん男?」
歯磨き粉を口の周りにいっぱいつけた太一君。
男だって!と言って顔を出した二人。
「な、何だこのガキは」
ねえ、ねえの質問攻め。
「お、お邪魔しました」
「あーあ、フラれちゃったー」
と笑いながら大きな声でわざと聞こえるように言ってやった。
まあそれから彼は近づいてこなくなったけど。
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