エピソード1

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二、三日それが続いた、太一君にわからないように、部長も仕事ができて助かると言っていた。 「それじゃあおやすみなさい」 「おやすみ」 階段を下りてきて、部屋の前で声をかけられた、こんばんわ、振り返ると佐藤さん。 「部屋ここ?」 ドアノブをつかみそうになって離した。 「いいじゃん、俺、この上、お近づきになりたいなーなんて」 「・・・」 ドン! わっ、壁ドン? 「なー、部屋入れろよ、好きなんだろ?」 「何のことですか?」 「部長の部屋から出てきたんだよな」 はあ、まったく、男って、ばかじゃない。 「つくづく、男って、やるだけみたいになってるんですね、いいですけど、覚悟してください」 「は?覚悟?いいねーそれ」 「ばっかみたい、どうぞ、靴はここで脱いで入ってくださいね」 「簡単に入れちゃうんだ」 「いれはしますけど、どうなっても知りませんから」 そういってドアを開けた。 「ただいま」 「おかえり、おー、姉ちゃん男?」 歯磨き粉を口の周りにいっぱいつけた太一君。 男だって!と言って顔を出した二人。 「な、何だこのガキは」 ねえ、ねえの質問攻め。 「お、お邪魔しました」 「あーあ、フラれちゃったー」 と笑いながら大きな声でわざと聞こえるように言ってやった。 まあそれから彼は近づいてこなくなったけど。
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