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次の日、三人を私の前に座らせた。
当分の間、太一君をうちで預かる。
お迎えとかは姉ちゃんが行く、何かあった時や歩巳が早く帰ってきた時はお迎えをお願いしたい。
それと、太一君のおじさんに頼まれて、部屋の掃除なんかもすることにした、だから太一君は帰りたいときに帰れるンだよと言ってやった。
「おじちゃんのこと大好きなんだよね、だって二人っきりなんだもん」
涙を浮かべた、四日よく我慢したというか、我慢強いというか。まったく頑固よね。
歩巳と、郁弥は、俺とおんなじだ、仲間だと言ってる三人を抱きしめた。
キャハハと笑う、苦しーというから苦しめーって言った。
「うちはずっといてくれていいんだからね」
笑い泣きながら、太一君は大きくうなずいた。
食事は何でも食べる、私の作ってくれたのはおいしいと言ってくれた。
「嫌いなものはある?」
トマトとピーマン
「でもね、でもね、お弁当のトマトは食べるよ」
「トマトなんか入ってないもん」
郁美は来てと、ベランダに連れて行った。
「ほら、これ、トマト」
そこには黄色い細長い品種のプチトマトがいっぱい実っていた。
「これ、トマトじゃないもん!」
「プチトマトっていうんだ、俺と郁が育ててるんだ、これも黄色いけどトマトなんだよ」
歩巳は一個とると口に入れた、郁も口に入れた。
はいと渡されたトマトを、太一君も食べた。
「おいしいね」
「うん、おいしい」
「まいうー」
何それなんて笑ってる。
「よーし、それじゃスーパーに行こう!」
「おっきい方?」
「おっきい方に行こう!」
三人を連れて、ディスカウントスーパーへ向かった。
「でかい」
「ひろーい!」
「走るなよ」
「ゆっくり買い物してきて」
行こうと太一君を引っ張って連れて行った、お目当てはゲームコーナー。
コインはいっぱい持ってるみたい。
お金は最初だけだったな。
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