エピソード1

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連れて来たよという郁の後ろから来た部長は入るなり、こういった。 「ここは誰の部屋?」 私の部屋です。 狭い! 悪かったわね。 このシーツの下は何? 「ベッド」 「段ボールだけどな」 段ボール!へー。 「ヨッシー失礼だよ」 どういう事と太一君に聞きながら彼の隣に座る部長。よしよし、仲直りのきっかけは何でもいい。 単身者の部屋はみんなこう、俺たちのいるところはファミリー用。 すると顔色が変わった。 「あんな狭いのがファミリー?」 平均で家族四人が住むんだと歩巳が言うと 「せまっ!」 「悪かったわね、サーどうぞ」 いただきますの声が部屋中に響いた。 うまいうまいと言って食べてくれた、ごま油とお塩だけの万願寺トウガラシがなくなっていく、部長も嫌いだったみたい、レタスに、玉ねぎやニンジン、を焼肉と一緒にくるッと撒いて食べる二人。へーといいながら二人もマネをした。トマトも、串に刺さったのを食べてる、慣れてくれたらいい。 キッチンは四畳ほどあったけど、荷物が多いから、玄関には新聞紙を置いて、外から入ったらすぐに下駄箱に入れるようにした。大きな天井まである棚をカラーボックスなんかを組み立て作った。彼らのカバンや着替えはそこにある。 部屋の中は本当に寝るだけの空間、私はドアを外した押し入れの中に半分足を突っ込んで寝ていたけど、そこに太一君のカバンが入っちゃったから、ベッドの下に寝てる。 八畳の部屋は、狭いけど、楽しいからいいよね。 片付けを終え、みんなを寝せようかと思ったら、段ボールの上にもう並んで寝てる。部長はそれにもたれるように寝ている。 「明日仕事ですよ」 私の布団を敷くと、そこに寝かせた。すぐに小さな寝息を書き始めた。 お疲れ様です、さて、私はこいつらと寝るしかないよね。 開いた隙間、一番端に落ちないように弟たちに抱き着いて寝た。 やっと叔父さんと和解した、夏の始まりだった。
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