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「さむ!」
目が覚めた、日中は真夏の暑さに頭がくらくらするくらいで、日本てこんなに暑かったかと思うほどだったが、さすがに秋、朝晩めっきり寒くなった。
体を起こそうとしたら、胸の中にいる生き物。
太一と郁君、かけている布団をとられていたんだ。それでも、彼女の部屋はなんとなく落ち着く、せまいのがいいんだろうな、俺の処に来ればいいのにと思いながらも、ここで寝てる俺も何かな。
パジャマをいつの間に着たの可さえ覚えてないし、少しは仕事の事もわかってきた余裕が出来たけど、この生活何とかしなきゃな。
壁には、俺のスーツがかかっていて、アイロンのかかったシャツがその横にかかってる。
当たり前だと思ってたけど、彼女が俺のズボンを脱がしているのを見て、驚いたのと、悪いなというのと、なんか胸の奥がこそばゆくて。
起き上がると、長い髪がベッドから流れている、その姿にどきりとした。
女っ気がなかったからだろうか、パジャマのТシャツから見えた彼女の胸のふくらみと先のとがったもの。布団を引っ張りかけなおす、こっちもか?子供たちにもかけなおした。
んー、自分の股間を見て、頭をかいた。
「風呂入って来るか」
日本に帰って来たのはよかったが、仕事となると俺はどうも兄貴と似てて、そっちに集中して周りが見えなくなってしまう、まあそのかいがあって昇級できたと思ってはいるが。太一にこれほどまで手を焼くとは思っても見なくて、彼女が居なければ半年、たぶん無理だったよな。
風呂から出て、仕事をまとめ、カバンを持って彼女の部屋へ戻った、玄関先で靴を脱ぐのも慣れた、新聞紙の上にあがり小さな下駄箱にはいっぱい靴が入ってるけど、俺のスペースだけ妙に広い空間がある、さすがお姉ちゃんだよな、ちょっとしたところに気配りが出来てるもんな。
「おはよう」
「おはよう」
挨拶も、なれてきた。一人でずっといたから挨拶なんてしなかった、兄貴ともあんまり挨拶なんてしなかったな。
「おは」
「おはよう」
「ヨッシー、洗濯だして」
「郁、起きろ、布団畳む!」
「さむい!」
「おきればあったかい」
三人の子たちもそれぞれの事をするし。
俺は、いつの間にか太一と一緒に洗濯をする係になったみたいだ。
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