エピソード2

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「さむ!」  目が覚めた、日中は真夏の暑さに頭がくらくらするくらいで、日本てこんなに暑かったかと思うほどだったが、さすがに秋、朝晩めっきり寒くなった。  体を起こそうとしたら、胸の中にいる生き物。  太一と郁君、かけている布団をとられていたんだ。それでも、彼女の部屋はなんとなく落ち着く、せまいのがいいんだろうな、俺の処に来ればいいのにと思いながらも、ここで寝てる俺も何かな。  パジャマをいつの間に着たの可さえ覚えてないし、少しは仕事の事もわかってきた余裕が出来たけど、この生活何とかしなきゃな。  壁には、俺のスーツがかかっていて、アイロンのかかったシャツがその横にかかってる。  当たり前だと思ってたけど、彼女が俺のズボンを脱がしているのを見て、驚いたのと、悪いなというのと、なんか胸の奥がこそばゆくて。  起き上がると、長い髪がベッドから流れている、その姿にどきりとした。 女っ気がなかったからだろうか、パジャマのТシャツから見えた彼女の胸のふくらみと先のとがったもの。布団を引っ張りかけなおす、こっちもか?子供たちにもかけなおした。 んー、自分の股間を見て、頭をかいた。 「風呂入って来るか」  日本に帰って来たのはよかったが、仕事となると俺はどうも兄貴と似てて、そっちに集中して周りが見えなくなってしまう、まあそのかいがあって昇級できたと思ってはいるが。太一にこれほどまで手を焼くとは思っても見なくて、彼女が居なければ半年、たぶん無理だったよな。  風呂から出て、仕事をまとめ、カバンを持って彼女の部屋へ戻った、玄関先で靴を脱ぐのも慣れた、新聞紙の上にあがり小さな下駄箱にはいっぱい靴が入ってるけど、俺のスペースだけ妙に広い空間がある、さすがお姉ちゃんだよな、ちょっとしたところに気配りが出来てるもんな。 「おはよう」 「おはよう」  挨拶も、なれてきた。一人でずっといたから挨拶なんてしなかった、兄貴ともあんまり挨拶なんてしなかったな。 「おは」 「おはよう」 「ヨッシー、洗濯だして」 「郁、起きろ、布団畳む!」 「さむい!」 「おきればあったかい」 三人の子たちもそれぞれの事をするし。 俺は、いつの間にか太一と一緒に洗濯をする係になったみたいだ。
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