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片付いた部屋にテーブルが置かれ、その上にいっぱいの物が並ぶ。
「はい、みんな座って、部長お願いします」
「それじゃあ、感謝して、いただきます」
「いただきます」
にぎやかな朝食、昔はこうだったんだよな。親が生きていた時をこの頃思い出す、兄貴と二人だけの生活よりもなぜか、遠い昔を思い出してる。
「部長、ネクタイ!」
「ああ、ごめん」
ポケットに入れた。
「郁、ほら、こぼさないの、太一君、カバンの中に入ってるの先生に見せてね」
「うん、おかわり」
「はいはい、歩巳あんたまたなんか忘れてない?」
「忘れてないよ」
「プリント、参観日!」
「ウワー、忘れてた」
「早く出せ、食べたら流しにおいといてください」
自分の事なんてそっちのけで俺たちの事をしてる良美ちゃん、すごいな、ここまでできるのかな?
「ごちそう様」
「ごちそう様でした」
くるくると動き回る彼女。
そんな君がまぶしく見える。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
自分の事もしながら、子供たちの事をするって、本当に女性は大変だな。
「どうかしました?」
「いや、すごいなって」
「仕方がないですよ、いやでもそれやんなって云われる日が来ますから」
「それ誰?弟?」
「当たり前です、さ-いきますよ」
「はい、郁、指さし確認」
「ガス消した!」
「消しました」
「太一、電気消した」
「消したぞ」
「ヨッシー、戸締りいいですか」
「いいです」
「それでは行ってきます」
「行ってきます」
この指さし確認が出ていく合図、気持ちいいよな。
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