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ずっとスマホを見ている人たち、帰って来てから思ったけど、これ、気持ち悪い光景だな。
「なあ」
「なに?」
「彼氏いないの?」
「いるわけないじゃん、無理、子持ちの女なんか」
「子持ちって」
「ねえ、これさ、安いよね、太一君どうかな」
バスがついてぞろぞろと人が乗っていく。
スマホの中には、子供服ゆずりますの文字、すぐ大きくなるからもらえるものはもらうというけど。
「お前さー、まだ二十歳だよな」
「だから?別に関係ないもん、こうなりゃ一生独身貫いてやる」
バスがガタンと揺れた。
「すみません」
「何でお前があやまるんだ」
「面倒だから」
「まったく今の子はみんなそうなのかね」
「別に、誰にも迷惑かけてないからいいでしょ」
ふくれっ面になった。
またガタンと揺れ、俺は彼女の肩を掴んだ。
「離せ、誰が見てるかわかんないんだから」
「いいじゃんかよ、別に減るもんじゃないし」
「減る!」
「そんなこと言うなよな」
「まったく、早く嫁見つけろ!」
「俺良美ちゃんでいい」
「取ってつけたいい方やめてください、おります」
「俺も、降りるってば!」
真っ赤になってかわいいの。
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