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姉ちゃんと紹介された。
「こんばんは、良美です」
「近藤太一です」
近藤?
「あのね、お迎えの時間になっても来ないから連れて来た」
連れて来たって?
「おんなじ所に住んでるって先生が言ってたよ」
じゃあこのマンション?
ピンポーン、
「はーい」
ノゾキアナからのぞくと、そう、さっき走っていった近藤部長・・・だよな。
「はあ、はあ、すみません、はあ、近藤と申します、太一がこちらへ」
扉を開けると、顔をあげた。
あーと驚く部長、指ささんでも。
「太一君、お迎えよ」
ばたばたと走ってきた子供たちが並んだ。
「ヨッシー、遅いぞ」
新聞紙の上に立って靴を持った、二人が駆け寄る。
「じゃな、また明日」
ハグ?
「またあしたね」
抱き合ってキス!!!
ふたりの弟が難なくこなした姿に絶句、何が起きた!驚いて、バイバイと手を振って出た太一君にあぜん。バンと扉が閉まった、すごい、太一君人なれしてる。
扉がまたあいた。すみませんでしたという。
「お気になさらないでください」
そういうのが精いっぱいだった。
バツイチ、子持ち、一身上ね、わかるわ。
「あのね、太一くんちも、お母さん死んじゃったんだって」
「へー、そうなんだ」
「でね、強く生きようって言われた」
「すごいね」
「姉ちゃん、もしもの時は彼も連れてきていい?」
「いいけど」
「晩御飯は僕の半分こするからいい?」
「郁、そんなの心配しなくていいよ、でも、ちょっとお父さんとお話してみるね、今日も、びっくりしてたでしょ、だから、歩巳、そんなときはメールして」
「うん、ごめんなさい」
「姉ちゃんごめん」
「いいよ、さあ寝るよ。電気けすからね」
さみしかったのかな、おんなじ環境に母親のいない子が来て同情しちゃったのかな。
ふたりの弟を見いていた。
静かになった、外の靴音も減り、部屋に入ったのか周りの音も聞こえなくなった。ふと残業が消えたことが頭に浮かんだ、あの人のどこがいいんだろ、顔?それしかないよな、第一印象でほとんど決まるっていうけど。身長もあるし、あーでもこれ、子供がいるなんて知ったら、どんだけの人がアタックするだろ、見ものだね。
タイムカード押された腹いせにやったろうかななんて思いながら寝た、明日も早いぞ!
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