エピソード1

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「はい、お弁当、水筒入れた?」 「入れた、ハンカチ持った、オッケー」 「姉ちゃん俺先に行く」 「どうした」 「サッカーやるんだ」 嬉しそう、良かった、いじめにあってないみたい。 「そっかがんばれ、行ってらっしゃい」 「行ってきまーす」 さて、こっちも行こうか。 「姉ちゃん、ガスは?」 「消したよ」 「電気は消した?」 「消しました」 「忘れ物ない?」 「郁はないですか?」 「ないでーす」 「それではあいさつ」 「行ってきまーす」 「行ってきます」  手をつないで、保育園へ向かう、その間もいろんな話、でも、もう泣くようなことはない、新しい環境がそうさせてくれているようでありがたかった。 保育園の先生に頭を下げた、今日もお願いしますと。  先生方は昨日は助かったと言ってくれた、時間外はペナルティーになるから、預かってまだ一週間たってないのにかわいそうだったからと先生方は言ってくれた。  ペナルティーは一応時間外、夜七時がタイムオーバー。先生方が少ないから、それ以上は預かってくれないのだ。それはちゃんと入るときに説明してあって、もしもの時は、誰かが代わりにでもあずかってほしいという事、もしもできない場合は一応ちゃんと連絡を入れさえすれば、ちゃんと預かるシステムはできてるんだけど、高いし、本当に何かない限り、うちは無理。まあ、歩がいてくれるから、少しの間ふたりで我慢してもらうしかない。  バスに乗って一番乗り、軽く掃除をして、みんなが来るまで、Тタイム。仕事は持ち帰りができた、でも今はそんなことできないよな、朝もこの三十分、一時間がちゃんとお金になる、だからやる!残業ができないなら早出してやる。  おはようと先輩方がやってくる。  ちゃんと準備ができているから、自分たちで好きな飲み物を作って席に着く上の人たち。 私はお湯があるか確認に始業のベルが鳴ってから見に行けばいい。 「おはよう」 「おはようございます」 上司がやってきた。 肩を叩かれた、ちょっとと呼ばれ、席へ向かった。
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