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「関係なくはないでしょ。なんで俺に黙ってたの?」
ツイッターという単語もカノンという名前も、真杜はまだ言わない。あくまで知らぬ存ぜぬで、のらりくらりと雫を攻めていく。
「だっ、て……別にいいだろ。おまえに言わなくたって別になんも困んねえし」
真杜の性格をよくわかっているからこそ、雫も核心的な言葉を避け続ける。
「まあ、うのちゃんは困らないけど、こっちは困ったことになってんだよね」
一ヶ月。一ヶ月もの間、真杜はカノンが雫かもしれないと気付かないままに、呟きをチェックし続けていたのだ。いつも一緒にいる相方がカノンであると知らず、気付くこともないままに一ヶ月も。
雫がそれを黙っていたことも腹だたしいが、それよりも気付くことのできなかった自分に真杜は腹がたっていた。
「俺が、隠しごとされるの嫌いって知ってるよね?」
「隠しごととか、そういうレベルじゃない」
「じゃあ、なに? うのちゃんは、なにやってたの?」
真杜は雫がツイッターをやっていることを知っている。そして、知られてしまっていると、雫も気付いている。それなのに真杜は、決して自分からは言おうとしない。こうなってしまったら、真杜はしつこいのだ。
雫は諦めて、真杜が聞きたがっている言葉を口にした。
「しつけーなー。ツイッターだよ、ツイッター」
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