原罪を写す万華鏡

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遥か片田舎の故郷を離れ、 逃げるようにして都会の町にやって来た。 偶然にも再会した小・中学、高校の同級生、 鱈齢場韮子(タラレバニラコ)と女子会と称して月一で酒を飲み鍋をつついては職場での愚痴を言い合う日々を送っている。 「私だって頑張ったんだよ? 離婚したお父さんの事で過剰にヒスを起こすお母さんに厳しく育てられて、 いっぱい勉強して国立の大学出たの。それなのに就職先は大手じゃ無いってガミガミ言われてね、 それでも実家に仕送り続けてるし、仕事しながら資格の勉強もしてるんだよ?」 「あー、偉い偉い!モトカは偉いよ。マジ頑張ってる! でもアタシらもう29よ。いつまでも親の言うなりじゃなくそろそろ自分の幸せ考えた方が良いと思うんだわ。」 「そりゃあ私だってね、良い人が居れば結婚したいって思うよ? お母さんにも30迄に結婚しなさいって言われてるしね、」 「はい、出たー!あんたはまたお母さんですかぁ。」 韮子はハイボールを飲み干した。 店員が空かさず追加オーダーを訊きに参上する。 コーラサワーを頼む韮子に続き許花も梅酒サワーを頼んだ。
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