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「ようく終わったのね」 妻役だったアンドロイドが言った。 「ああ、なんとかやってのけたな」 友人役だったアンドロイドが答えた。 最後の人類の一人に普通の人間としての生涯を送らせるため、かつて人類に作られたアンドロイド達が協力した結果だった。 作られた家族、作られた人々、作られた町、作られた事件、作られた幸運、作られた世界。壮大な嘘に迎えられて彼は生まれ、過ごし、そして生涯を終えた。 「妻役は一緒にいる時間が長かったので大変だったろう」 「ええ、でもそれも終わりと思うと少し寂しいわ」 そんなとりとめもない会話の最中に、息子役だったアンドロイドが走ってきた。 「おおい、大変だ!」 手には紙を持っている。 「いや、実は遺書が見つかったんだが、ちょっと見てくれ」 近くに来ると、妻役と友人役に短い文章が書かれた紙を見せた。 その内容はこうだった。   全部知っていたよ   知らない振りをしていたのは   人類最後の嘘だ   Thanks you      and       Good by !
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