第三章~救いの女神~

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僕は日本へ来た契機、そして今自分が置かれている状況を説明した。途中からは泣きながら話したけど、二人はティッシュを差し出してくれたり肩をさすってくれたりと慰めてくれた。 「で、なんて言ってるんだい?」 「惚れた女を探しに来たんだってさ。名前はジョージさん」 「なんてこったい!みちのくひとり旅みたいじゃないか!おまいさん、譲二って呼ばせてもらうよ!」 涙ながらに言われた。 僕が「譲二」と名付けられた瞬間だった。 この家の女性はミスター山本の熱狂的ファンで、好きな歌の歌詞のような状況、そしてジョージという名前に親近感が湧いたようだ。 「さぁてどうしたもんかねぇ。東京ってったって広いからねぇ……」 トーキョーは僕が思っていたよりもかなり広くて、日本で一番人口が多いらしい。その中で人探しをするのは難しいことを知った。 打ちひしがれていると、何か他にヒントはないのかと聞かれた。『ナッツ』以外のフルネームや漢字は分かるか?と。
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