第三章~救いの女神~

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僕は小さな頃の記憶を、脳をフル回転させて思い出そうとする。 そうだ、彼女は自分の名前を英語で言うと、こういう意味になると言っていた! 『……サマー、オーシャン……ウッド、ヴィレッジ!そうだよ!確かにそう言っていたよ!』 ふむふむ、と英語の話せる女性はメモに書いていく。出来たのは「木村 夏海」の文字。見せられても読めない。 『ナツミ キムラと言うのね?』 僕はナツミとしか覚えていなかったけど、それを聞いて苗字を思い出したんだ。YES!と答えると、二人はまた困ったような表情になる。 『キムラという苗字はたくさんいるの。そしてナツミという名前もね』 三人で困っていると、食べ物をくれた女性が叫ぶ。 「考えてても仕方ないね!こうなりゃ人海戦術だ!あたぃの情報網なめんじゃないょ!!ただ少し時間をおくれ!」 僕はお願いしますと言い、日本に居れるのは90日間だけだと伝えた。 「「あたぃらに任せな!」」 なんと頼もしい女性たちだろう。日本人女性はもっと静かでシャイだと思っていた僕は、認識の違いに驚いた。
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