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『さぁバスに乗ろう』
男性に言われて外に出ると驚いた。思っていたよりも近代的なことに。
そしてバスに乗り込んだ時点で乗り物酔いをしてしまった。昔からバスが苦手ではあったが、長時間のフライトや彼女に会う緊張もあったんだろう。発車前から既に気持ちが悪い。
『おいおい……大丈夫か?荷物の中に薬はあるのかい?』
『……ない……気持ち悪い……』
『とりあえず横になりなさい。着いたら起こすから』
そう言われて、一番後ろの席だった僕は荷物を枕代わりに、周りのみんなの好意もあり足を伸ばして横になる事ができた。
少しするとそのまま眠ってしまったようだ。
『……い……おい……着いたぞ?大丈夫か?』
『……ん?……あぁ済まない。大丈夫だ』
だいぶ体調も回復していて、寝ぼけたまま男性と一緒にバスを降りる。
『じゃあここでお別れだ!いい旅をな!』
彼は手を振りながら去っていった。そしてようやく覚醒してきた僕は、とんでもないことになっていることにようやく気付く。
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