第二章~誤ち~

2/2
104人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
『さぁバスに乗ろう』 男性に言われて外に出ると驚いた。思っていたよりも近代的なことに。 そしてバスに乗り込んだ時点で乗り物酔いをしてしまった。昔からバスが苦手ではあったが、長時間のフライトや彼女に会う緊張もあったんだろう。発車前から既に気持ちが悪い。 『おいおい……大丈夫か?荷物の中に薬はあるのかい?』 『……ない……気持ち悪い……』 『とりあえず横になりなさい。着いたら起こすから』 そう言われて、一番後ろの席だった僕は荷物を枕代わりに、周りのみんなの好意もあり足を伸ばして横になる事ができた。 少しするとそのまま眠ってしまったようだ。 『……い……おい……着いたぞ?大丈夫か?』 『……ん?……あぁ済まない。大丈夫だ』 だいぶ体調も回復していて、寝ぼけたまま男性と一緒にバスを降りる。 『じゃあここでお別れだ!いい旅をな!』 彼は手を振りながら去っていった。そしてようやく覚醒してきた僕は、とんでもないことになっていることにようやく気付く。
/386ページ

最初のコメントを投稿しよう!