第三章~救いの女神~

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トーキョーに着いて一時間もしないうちに心が折れた。乗り物もどう乗ったらいいのかも分からない。どこへ行けばいいのかも分からない。しかも僕の荷物はリュックと、それほど大きくはないボストンバッグだけでもある。 この先の不安がどんどん増してゆく。ただひたすら、行き先も分からないままトボトボと歩いていた。 どれくらい歩いていたのかは覚えてないけど、気付くと浅草にいた。当時は浅草というのも分からなかったけどね。 自分のような観光客のような人たちを見つけ、何となく後ろを着いていく。着いて行った先は「浅草寺」。とてもビッグサイズな紙のランタンがぶら下がり、その横には筋肉質な怖い顔をした木彫りの像。その光景に度肝を抜かれたよ! しばらくポカーンと見つめたあと、周りの人と同じようにそこをくぐる。そしてまた驚いたのがその広さ。そして溢れかえる人の波。 色んなお店が立ち並び、奥にある建物はアジアンテイストでクール。テンションが上がってきて、かなり長い時間見て回った。 そして気付くと辺りは暗くなってきている。まずはここを出よう。
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