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第三章~救いの女神~
一人になった僕は辺りを見渡して、自分の恐ろしい勘違いに気付いたんだ。
恥ずかしながらその時の僕は勉強が苦手で世間知らず、そもそも日本がどこにあるかも分からずに来てしまった。
その時の僕の認識では、『日本は小さな小さな島国で、トーキョーと呼ばれる小さな村がポツンとある』そんな程度だったんだ。
それが実際は自分が生まれ育った街よりも数百倍近代的で、驚くほど背の高いビルがたくさんある。そして何かのパレードかと思うほどの人と車の数。
……自分が間違っていたと認識した瞬間だった。
気持ちを切り替え、街行く人に話しかけてみる。
『すみません、あの……』
なんと英語が通じないではないか!?立ち止まってはくれるが、みんな申し訳なさそうな顔で僕の知らない言葉を言い立ち去る。
それを見ていた人が、僕と目を合わせないようにして立ち去る。
……自分がとんでもないピンチに遭っていると認識した瞬間だった。
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