野球部のエースとマネージャー

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ここは2年1組の教室の中である。今は、数学の授業の真っ最中で、先生が黒板に図形と公式を書いている。二つの三角形と相似条件や合同条件が大まかに書かれると、私はそれをノートに書いた。 近くには、高山君がいる。やはり、それをノートに書いている。私と高山君は、こうやって同じ時間を過ごしているけど、人としては大違いである。 高山君は野球部のピッチャーをしている。いわゆるこの学校のエースで、休み時間になると他のクラスからも女子生徒たちが一目見ようとこのクラスにやってくる。 それに引き換え、私は目立たない。高山君と違って私目当てで他の生徒たちに囲まれる事はない。友達は5人もいなくて、どっちかと言えばひとりぼっちでいることが多い。 さて、授業が終わるとトイレを済ませて理科室へ移動することになった。 またもや高山君は女子に絡まれている。それを私はひとりで見ている。高山君が自分に絡んでくる女子には目もくれないことがわかっている。     
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