あらすじ

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 五月晴れの空の下、畑仕事をしていたサムライ「キョウ」は、ある日空から落ちてきた魔法使い「優」を発見する。  優は、新人のカメラマンで腕を磨くためにキョウの住む桃遊町に派遣されて来たのだという。優の目的はただ一つ。最高の一枚をカメラにおさめること!  ところが、空から落ちた衝撃で、優が大切に持っていた魔法のカメラが壊れてしまう。二人は修理屋にカメラを持ち込むが、直るまでにはかなりの時間がかかるといわれてしまう。  カメラが直るまで、家事をすることを条件に優はキョウの家に居候することになった。しかし、この町では魔法使いということを隠すようキョウに言われ、優は他国からの留学生ということで生活することになる。派手な見た目の優は、声こそかけられないが、町中の噂の的になっていく。  キョウに借りたカメラで、優は写真を撮ろうとするが、何を撮ればいいのかなかなか見つからない……。いったい何を撮ればいいのだろうと悩む優。  やがて彼は、キョウの友人の調子のいい岡っ引き「シマ」、この町一番の美人だが少し口うるさい「ソラネ」を巻き込んで、様々な季節を切り取って写真を撮ることになる。  夏になり、秋になり冬になった。桃遊町で過ごす時間は、優に様々なものを与えた。そして、彼はすっかり町に溶け込み、この町での生活を楽しむようになる。また、彼も様々なものを写真に撮ることで、少しずつ自信をつけはじめ成長していく。キョウもまた、最初こそは優のことを遠くから見ているだけだったが、やがて心を開き優しく接するようになった。  そして、やっとカメラが直った。  帰ろうとする優をキョウは引き止める。「あと三日待て」というキョウによっぽどの理由があるのだと思った優はそれを受けいれて、三日待つことに決めた。 はたして、三日後に何が待ち受けているのだろうか……。  不安と期待を半分ずつ胸に抱き、優は三日間を待つことになる。  三日後の朝、優の目に映ったものとは――。
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