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翌日、外来受付の前を通り過ぎた彩矢ちゃんを見かけ、追いかけて「おはよう!」と言ったのに無視された。
まだ、怒ってるのか。
バニラのアイスを食べたくらいで、何故そこまで嫌われなければいけないのだろう。
沙織と暮らしているうちは、些細なことも許せないのだろうと、自分なりに解釈をして納得した。
彩矢ちゃんの機嫌が直っていたら、帰りは一緒に食事をしようと思っていたのに。そして、出来ることならその後ホテルにも行きたかったけれど……。
LINEをしても返信はもらえず、仕方なくアパートへ帰った。
珍しく沙織は出かけたようで居なかった。
外出ができるくらい回復できたのなら喜ばしいことだ。だけどLINEもなく置き手紙もないとなると心配で仕方がない。
鬱病者の自殺は重症のときよりも回復期に多い。
『今どこにいる? 何時ごろ帰ってくる?』
メッセージを送信してから、余っていた鮭でお茶漬けを作り、簡単な夕食を済ませた。
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