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ラフな服装の彩矢ちゃんが俺の車を見つけて走ってきた。
この一週間分のモヤモヤを吹き飛ばすかのように、夢中でキスをした。
全ての欲求を解消できるわけもなかったけれど、それでも幾分気は晴れた。
わだかまりを捨てきれていなかった彩矢ちゃんも、俺の葛藤と沙織のことを理解してくれたような気がして、ホッとした。
そう思っていたけれど……。
その後なにがいけなかったのかが全くわからない。
コンビニから出たあと、何も言わずに駆けて行ってしまった。
これから沙織が待つアパートへ帰らなければいけないのだから、不快に思うのは無理もない。理性だけでは納得できないことも沢山あるだろう。
だけど……。
遼くんは何味のアイスを食べたの? と聞かれ、” 沙織が抹茶を選んだから、俺はバニラ ” と返信した。
『嫌いよ、遼くんなんて、大っ嫌い!!』
バニラ味のアイスを食べる男は嫌いだということか? 抹茶だったら大丈夫だったのか?
彩矢ちゃんの気持ちが全くわからなくて、せっかくの高揚した気分がすっかり萎んでしまった。
一体なにが言いたいんだよ……。
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