哀しすぎる関係

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沙織に送ったLINEはまだ既読されていなかった。 電話をしてみたけれど、何をしているのか電話にも出ない。 落ち着かない気持ちで待っていたら、九時近くになってやっと玄関の鍵がまわる音がした。 無事に帰ってきてくれてホッとしたけれど、なんの連絡もよこさない沙織に腹が立った。 「た、ただいま」 迎えにでた俺に驚いたのか沙織は戸惑ったように、視線をそらせた。 「何やってたんだよ! なんで電話に出ないんだよっ、心配するだろう!」 「ごめんなさい。マナーモードにしてたから……」 ああ言えばこう言う沙織なのに、意外と素直に謝った。 「今まで何してたんだよ。どこに行ってたんだ?」 「そんなことまで聞く必要ってある?」 「………心配して待ってたんだぞ。こっちの身にもなってみろ!」 確かにそこまで詮索するつもりもなかったけれど、ずっと心配して待っていたのだ。 「ごめんね。……遼ちゃん、私そろそろマンションに戻るわ。もう大丈夫だから」 ちょっと注意しただけではないか。すぐにそうやって拗ねるのはやめてもらいたい。 「だから、そういう別れ方は嫌なんだよ。そんなに怒ることないだろう」 「ううん、怒ってないわ。すごく感謝してる。本当に大丈夫だから、マンションへ送ってくれない? ダメならタクシーで帰るわ」 「……沙織」
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