年下の彼

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わぁ~~っ!!と言う、大歓声が響く。 義母がひどく興奮して、拍手喝采をしていた。 その後も抜かれたり、追い抜いたりを繰り返したが、最後は赤組の親子が余裕でゴールした。 悠李と潤一がハイタッチをして喜んでいた。 こんな仲のよい光景を見たのは初めてかもしれない。 これは感動というものなのか? なんとも言えない感情がわき起こり、思わず涙ぐむ。 「仲のいい親子じゃないの。血も繋がってないのにあんなに可愛がられて、悠ちゃんは幸せな子だわ」 義母の言葉で目が覚めたような気持ちになる。 あんな光景は稀なのだ。 潤一が子煩悩になどなれるはずないじゃない。 それでも、さっき潤一が言った、 “ 俺たちもう一度やり直さないか ” の言葉が、頭の中でリフレインされていた。
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