年下の彼

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「潤ちゃん、待ちなさい、あなたもせっかちね。ちゃんと話し合わないとダメよ。悠ちゃんにも雪花ちゃんにも本当に会えなくなってしまうのよ!」 「そんなことにはならないよ。裁判には絶対に勝つ。じゃあ、今日はこれで」 ムッとした潤一が捨てゼリフを吐いて玄関に向かった。 プライドの高い潤一をすっかり怒らせてしまったことに気づき、恐ろしさに震えた。 あの日佐野さんが、クリスマスに渡しそびれた悠李のプレゼントなどを持って来なければ、雪花は溺れたりしなかった。 翌日はよけいな心配をして雪花の様子を見に来たりしなければ、潤一に密会していたなどと言われる筋合いもなかったのだ。 こんなことになったのは全て佐野さんのせいだわ!! 裁判の結果次第で、悠李と雪花はロスへ連れて行かれる。 そんなことになったら、佐野さんと結婚しても幸せになど暮らせるわけがない。 佐野さん、どうすればいいの? 私たち一体どうなるの?
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