年下の彼

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慎ちゃんの膝から降りて佐野さんのイスに移り、しばらくの間、ネットや動画を見たりして過ごした。 慎ちゃんとの平和な休み時間は、あっという間に終わる。 時計を見て、重い腰をあげた。 「ねぇ、今夜はなにが食べたい? たまには外食にする?」 「僕は沙織さんの作る料理、けっこう好きだけどね。面倒ならどこかで食べて帰ってもいいよ。それとも僕が作ろうか?」 「なにが作れるの?」 「うーん、レンチンのパスタか、炒飯だな」 「そんなの料理じゃないでしょ。炭水化物じゃないのがいいわ。毎日アパートもマンネリだし、どこかで気分転換がしたいわね」 「マンネリって、、沙織さんはもう僕に飽きてしまったってこと?」 慎ちゃんは寂しげな顔をしたので、ちょっとからかいたくなった。
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