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「マンネリっていうわけじゃないけどね。クスッ」
「わかってるよ、僕が下手だって言いたいんだろ」
むくれたように言う慎ちゃんが可愛くて、思わず吹きだす。
「ぷっ、そんなこと言ってないでしょ。慎ちゃんはとってもステキ~~」
人差し指で慎ちゃんの鼻先をポンとはじいた。
「バカにしてるだろう。帰ったら仕返ししてやる」
そう言って慎ちゃんは私の身体を壁に押しつけた。
「バカになんかしてないったら。最近は70点よ。才能あり!」
「バカにしてるじゃないか。じゃあ、100点ってどんなのだよ? もっと変態的なのが好きなのかい?」
悪戯っぽく慎ちゃんが笑った。
「そんなんじゃないわよ、失礼ね。女はムードに弱いのよ」
「ムードかぁ、ベッドにバラの花びらを散らすとかかい?」
「ウハハハッ!! ちょっと違うけど、いいかもね。花びらのお掃除も慎ちゃんがするのよ。じゃあ、もう行くね」
ドアをあけると佐野さんが立っていたので、心臓が止まるかと思った。
もしかして聞かれてた?
やだぁーー、もう!!
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