215人が本棚に入れています
本棚に追加
「し、慎ちゃん、、もしかして昼休みに言ったこと怒ってる? あのね、あれは冗談よ。私って素直じゃないの。うまく言えないんだけど、慎ちゃんが一番なの、本当よ!」
「沙織さん……。どうしたの?」
不安げに慎ちゃんが私を見つめる。
「ずっとじゃなくていいの。慎ちゃんはまだ若いんだもん、束縛なんてしたくないわ。だけど、もう少しだけ一緒にいてくれないかな。もう少しでいいから!」
ひどく動揺して焦ってしまい、早口でまくし立てた。
「沙織さん、落ち着いて。どうしたの? そんなに興奮しないで」
すっかり取り乱してしまっている私を、慎ちゃんが優しく抱きしめた。
「ごめんなさい。私まだ病気なのね。気持ちが不安定になると、発作を起こしそうになっちゃう……」
「焦ることないよ。あ、あのさ、これ、これなんだけど、受け取ってもらえるかな……」
緊張した面持ちでリボンで結ばれた小さな箱を差しだした。
これって、ティファニーじゃない。
「またプレゼント? あんなにステキなお花をもらったのに」
白いリボンを解いて、水色の小箱をあけた。
最初のコメントを投稿しよう!