年下の彼

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慎ちゃんが肩を抱き寄せて、そっとキスをした。 私ひとりぼっちじゃないのね。ずっと一緒に居てくれるのね。 もう不安に怯えたりしなくてもいいのね。 思いも寄らないプロポーズに胸が熱くなり、涙があふれた。 「ごめん。お父さんが亡くなったばかりなのに」 「ううん、パパは一番喜んでくれてるはずよ」 うつむいて泣いている私の涙を、慎ちゃんが優しくぬぐってくれた。 「沙織、……愛してるよ」 「私も慎ちゃんが好き。ずっと、、ずっとそばにいて」 キスされたまま、ベッドへ倒れこむ。 慎ちゃんの熱い息が首筋にかかった。 少し余裕が出てきた慎ちゃんの愛撫は優しくて、くすぐったくて、思わず甘い吐息がもれた。
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