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朝。窓から差す明るい陽射しの中、珈琲メーカーから漂い来る甘い香りに浸り、至福の時間に癒される。っていう俺の大事な休日のルーティン。
それは、そんな俺のささやかな幸せがぶち破られた瞬間だった。
『おとうさん、おはよう』
いきなり背後から話しかけられた。キッチンには、俺しかいない。はず。
っていうかさ!お父さん?なんで俺がお父さん?結婚したばかりで、まだ子供は居ない。
婚前交渉がなかったとは言わないけれど、できちゃった婚でもないし。
……っていうか、お前誰?
と、振り返ったらそこには、嫁が連れてきた猫1号、花子が居た。白と黒のハチワレっていうやつ。黒い毛にはほんのりサバ柄が混じってる。
「おう、花子おはよう。って、猫があいさつしないよなあ」
『おはよう、おとうさん』
どええええええぇぇぇぇぇぇ!?
なんてこった!返事した!?花子が喋ったってか!
『おなかすいたんだけど』
「あ、腹減ったんだ。今カリカリ入れ……って!」
なんで普通に人語話してるんだ!おーまいがー!
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