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パーティーの夜
初めて病室を訪れて以来、私は頻繁に真澄さんのお見舞いに行くようになった。また遊びに来てくださいねと言われたのを額面通りに受け取った形だ。真澄さんと話をする時は、いつも彼女の手を握って語りかける。保澄さんがそうしているのを倣っているわけだが、手の動きや力の入れ方で彼女の感情が伝わってくる。お芝居ではセリフに、どんな抑揚をつけ、どんな表情で語るかが大切になるのだが、それとは異なって手を握ることでのコミュニケーションもある。
その日は、夜に保澄さんが戻ってくるまでの間、私が話相手となっていた。『蓮葉』の完成披露パーティーが開かれ、保澄さんは事務所の社長さんと一緒に出かけたのだ。六時にはそっちへ行けるよと保澄さんは言っていたのに、八時になっても帰ってこなかった。社長に電話すると、会場で別れたとのことで詳しくは知らないらしい。
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