神在月、出雲大社にて

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微妙な間に耐えられなくなってか、彼が口を開く。 「そうか、分かった。じゃあ、出来るだけ会社でも笑う様にするよ」 その言葉に、刹那私の心にガラスの破片が刺さった様な痛みが走った。 「やっぱりダメです! 課長は笑わないで下さい!い、今までのままでいいです」 「え?」 狐につままれたように呆気にとられている課長。 それはそうだ。 口走った言葉に自分が一番慌てた。 笑えと言ったり笑うなと言ったり。 そんなの課長だって困る。 どうしてそんな事を私は言ったのか。 一瞬思ったのだ。 課長が笑ったら、きっと他の誰かも課長の事を好きになってしまう。 まるでそれは私にとっての大問題の様に、必死な思いが溢れ出た。 他の誰かが課長を好きになったからって、私にはなんの関係も無い事。 そのはずなのに、笑うなだなんてどうして口走ってしまったのか。 自分でも訳が分からなかった。
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